2026.01.16
富士山がもたらす自然の物語を、住空間で紡ぐ

西甲府住宅様モデルハウス
「富士の麓で紡ぐ、時を繋ぐ暮らし」
西甲府住宅様より、富士五湖エリアに新たに建設されるモデルハウスのインテリアデザインをご依頼いただきました。
今回のテーマは、「富士の麓で自然と文化、未来を紡ぐ」。
この住宅の構造体には、ニュージーランド産のサステナブルウッドを採用しています。植林から伐採まで約30年というサイクルで循環する木材を用いた、環境に配慮した木造住宅です。そこに、富士五湖地域に受け継がれてきたサステナブルな伝統技術を組み合わせ、郡内織物や西嶋和紙をインテリアとして取り入れることを提案しました。
イメージを現実に。絵に描いた理想を形にするデザインプロセス。
空気感やニュアンスを視覚的に表現
「サステナブルな木材を使った循環」という力強いテーマ。
「地域の伝統」を、現代の暮らしにどう馴染ませるか。
頭の中にあるイメージを具体的な「空間デザイン」へと組み上げていくために、プランニングの初期段階でイメージスケッチに落とし込み、空間のトーンを検証しました。
木の優しい色味に対し、郡内織物のカーテンがどう映えるか。
西嶋和紙の照明をどこに配置すれば、雲のような柔らかな空間になるだろうか。
空気感の共有の為にも目指すべき方向性をビジュアルで確かめていきます。
当初描いていた「柔らかく包み込まれるような空気感」、そして全体のトーンがそのまま形になっているのを感じて頂けるかと思います。

サステナブルな住宅に伝統の魂を繋ぐデザイン。
伝統と未来を繋ぐインテリア
「未来へ繋がる住空間」を、「地域の伝統につながるインテリア」でしつらえることで、紡がれてきた伝統技術と地域文化を、暮らしの中で自然に感じられる空間が完成しました。
空間を照らす光には西嶋和紙を。
肌に触れるファブリックやカーテンには郡内織物を。
世界基準のニュージーランドのサステナブルウッドと、郡内が誇る伝統を掛け合わせることで、先進的でありながらもどこか懐かしい、そんな心地よく安らぎを感じられる空間デザインを目指しました。

光と陰を柔らかく表現する伝統の技「西嶋和紙」


富士の嶺を映す
伝統と現代アートの融合
ふと見上げると雄大な富士を眺めることができる豊かな土地。
この土地ならではの美しい情景を、インテリアとして表現できないと考えました。富士山にたなびく雲をモチーフに、繊維を通して広がる光が、雲の切れ間から差し込む日の光のように柔らかく空間を包んでくれる。
そんな美しい情景を表現するのが「西嶋和紙」です。
幾重にも重なる和紙のテクスチャの表情は、ガラスや金属では出せない有機的なフォルムで空間を明るく表現してくれます。
窓辺に飾ったタペストリーと、幻想的な光を放つ照明は、地域のアーティストに依頼して作成頂いたもの、和紙特有の複雑な繊維が光を絡め取り、深みのある陰影を描き出します。
伝統技術と現代アートの感性が、住まいに唯一無二の物語を紡ぐ。
そんな空間デザインを目指し、西嶋和紙のインテリアをしつらえました。

「伝統」と「世界」、細部に宿る上質な品質「郡内織物」


郡内織物×遊び心
伝統と世界を遊ぶ、窓辺のしつらえ
窓辺を彩るカーテンは、部屋の中で最も大きな面積を占める「インテリアの顔」です。
そのカーテンに選んだのが、長い歴史を持つ織物産地ならではの伝統「郡内織物」。美しいグレーのカーテン生地のサイドには、マノワらしい遊び心として、渦を巻く雲のようなユニークなデザインのブレード(フランス製)を組み合わせました。レース越しに見える樹々のシルエットと呼応し、やわらかい印象の窓辺をつくり出しています。
光を通したときの美しい透け感や、手で触れたときに感じる上質な郡内織物のテクスチャは、長い歴史の中で紡がれてきた確かな品質です。
そしてソファには、愛らしいフクロウの刺繍クッションを。郡内織物の伝統技術でしつらえた特注品です。
森の賢者ともよばれるフクロウが、サステナブルな木の家で家族を見守ってくれている——そんな物語を込めて空間をデザインしました。
ソファやカーペットも、郡内織物の質感に寄り添うような、やさしい肌触りのものを選んでいます。

ワークスペース・子供部屋・寝室のインテリアコーディネート。


余白を楽しむワークスペース
お客様との打ち合わせを行うためのスペースです。
デザインのベースとなったのは、ふとした瞬間に見せる富士山の情景。
山頂にふわりと薄く雲がかかった優美な姿を、ブラックの薄いファブリックストールで表現しました。黒を一点取り入れることで空間全体が引き締まり、「余白」がより際立つ構成としています。
あえて色数を抑えたのは、お客様の思考やアイデアが自然に広がる余地を残すため。視覚的な情報を最小限にすることで、空間にゆとりが生まれ、打ち合わせの中で自由な発想が生まれやすくなります。
お客様の想像力が入り込む“隙間”を大切にし、良いアイデアが育まれる、そんなクリエイティブな空間を目指しました。


子どもにこそ良いものを、郡内織物で優しく包む子ども部屋
お子様の感性が磨かれる大切な空間、だからこそ肌に触れる素材は「本物」を選びたい。
そんな想いから、ベッドカバーやクッション、ファブリックパネルには郡内織物を、テーマカラーは優しさと安らぎを与えてくれるピンクを選びました。
天井のクロスにピンクを使い、壁面にはストライプで縦のラインをピンクで表現することで、可愛くなりすぎず上品な愛らしさに仕上げました。
毎日触れる素材に、郡内の職人が作った本物の手仕事を。
きっとお子様の感性や美的感覚を豊かにしてくれると願いを込めてデザインしました。


南部ヒノキとテキスタイル
森の中で眠るようなベッドルーム
一日の疲れを癒す寝室に
深呼吸したくなるような森の中をイメージしたデザインを。
この部屋のテーマは「森の中の安らぎ」。
壁紙からファブリックまで、優しい緑を基調とし、木漏れ日の中でまどろむように寛げる空間デザインを目指しました。
枕元を優しく照らすのは、南部で育ったヒノキを使った「ペンダントライト」
シェードから透ける木目の美しさは、自然の芸術そのものです。
ヒノキならではの清々しい香りと優しい光が、眠る前のひと時を包み込んでくれます。
そしてこの空間に物語を紡ぐのが、テキスタイルデザイナーの堀田ふみ氏が手掛けた郡内織物です。窓辺のバランスカーテン、そしてクッションには可愛らしい森の動物が描かれ、壁には小鳥の刺繍を施したファブリックパネルを飾りました。
森の木々と、そこに集う小さな命たち。
地域の素材とアートが響き合うこの寝室なら、毎晩心地よい夢が見れるといいな。そんな想いでデザインしたベッドルームです。


